2011年の映画総決算

この時期いつも去年の映画を振り返る番組がいくつか放送されるが、やっぱりCCTV10chの映画番組が一番おもしろかった。
去年中国大陸で公開した映画を全部ダイジェストで見せてくれるこの番組は、忙しい身としてはとても助かる。しかも解説が怖いもの知らずの一刀両断超辛口なのである。しかし有意義な作品にはたとえ規模の小さい映画でもキチンと評価している。
こうして1年を振り返ると流れみたいなものが見えてくる。もう往年の香港映画の焼き回し的な映画ではお客を呼べないし、超大作といっても内容がイマイチならコケるのも大きい。
今、注目するなら、ホラー映画の「孤島驚魂」と中国映画の奇跡と言われた「失恋33天」。
「孤島驚魂」は脚本も仕上がりも出来があまり良くないにもかかわらず大ウケした。これは観客の中にホラー映画に対する潜在的な欲求があるからだ。
私もDVDで観たが、お色気も怖さも実に中途半端。実はこの美術は香港のボスがしたのだが、いろいろ上からダメ出しされてこうなったらしい。もし当局の指導が無ければ、このジャンルなら低予算でもヒットを狙えるのは確実なのに。
「失恋33天」は、製作を全て中国大陸内でなされている。撮影は北京で、香港人のスターも監督もいない。それなのに誰もが予想しないほど大ヒット。まさしく今年のダースホースである。
個人的に気になったのは「刀見笑」。安藤政信も出演している。いかにもカルトっぽい雰囲気がいい。