「賽徳克巴莱(セデックバレ)」の本「電影巴莱」

台湾で収穫してきた本をつらつら読んでみる。
「電影-巴莱」は映画のメイキング本。登場人物の紹介からロケ地について詳しく記載されている。
登場人物については小さい役についても細かく説明されている。主役の「莫那·魯道(モナルーダオ)」を演じたのは牧師さん。演技経験がまったく無いのに主役に選ばれ、撮影中に何度も挫折しそうになるが、「神から与えられた試練」だと思って挑んだそうだ。
美術についても大きくページを割いていて、林口霧杜街以外のセデック族の部落も日本の美術組は担当している。ここもまず草刈から始めて整地する徹底ぶり。草を刈ってから段々畑があることを発見したくだりがおもしろかった。
俳優や美術だけでなく映画製作全般について書かれているので、映画制作に携わっている人にはとても有益な本である。
だからといって堅苦しい専門的な内容ではなく、どちらかというと「撮影はたいへんだったけど、たくさんの人に協力してもらって本当にありがとう」というメッセージのほうが強く感じられる。
日本だと映画とメイキング本はワンセットだけど、中華圏はあまりない。あっても俳優中心だったりとか。DVDの特典もインタビューがメインだ。中華圏の人は、舞台裏はあまり興味がないらしい。