アメリカ版「トラ!トラ!トラ!」を観る

最近はネットで映画を無料ダウンロードをして観るのが主流になっている中国。そんなわけで街中からどんどんDVD屋さんが消失している。しかし回線の速さが不規則でウィルスも怖いので、DVDがあるならそっちを買ったほうが楽である。
個人的に戦争映画はまず見ない。ばたばたと人が死ぬのが苦手なので。説教臭かったり泣かせようとするのは更に問題外だ。
「トラ!トラ!トラ!」は年代が次の映画と同じだし、零戦や戦艦も当時の最高水準で再現されているので資料にはもってこいぐらいの感覚しかないまま観始めた。
1970年公開の映画なのだが、映画制作の姿勢に頭が下がりっぱなし。アメリカが製作なのに日本のパートは日本人に撮らせている。なので日本のパートはしっかり日本映画だ。双方の言い分を聞く戦争映画といえばイーストウッドを思い出すが、40年前に既にあったのか。
そして可能な限り戦闘機や戦艦を再現して飛ばしているのがすごい!実はほんとに零戦を作ろうとしたのだけど、それでは予算がいくらあっても足りないから止めたらしいw(その考え方が素敵すぎる)
戦闘機以外でも飛行場や軍の施設もオープンロケで作って、そして惜しげも無く爆破の連続。今だったらCG合成だろうが、これは全部本物だ。
最近の中国映画はよりリアルさを追求する傾向にある。国内のCGの水準が高くないというのもあるが、「十月圍城」で8ヶ月かかって1905年の香港の街を再現したり、自慢のカンフーアクションもワイヤーを使用しながらも「より痛く」見えるように撮ろうとしている。安易にCGに走るのは私も反対だ。一時は美術という仕事が将来なくなるのではと思うぐらい、合成一辺倒だったが、ちょっと戻ってきた感じがする。