ドニー甄子丹主演映画「葉問」を見る

ボスもいないし急に仕上げる仕事も無いので、空いた時間で「葉問」を見た。
横店で撮影したと思っていたがネットのニュースでは上海市松江撮影所と書いてあった。ほぼ大陸資本で大陸で撮影しており内容も香港映画とは言えないくらい大陸寄り。アクションはパーフェクト。ドニー以外の各出演者も切れのいい見せ場を作っている。
ストーリーは主人公の葉問が人格者という以外はジェット李連杰主演「霍元甲」とほとんど一緒。格闘技オタクの日本人将校が中国人武道家に挑戦して中国人が勝つのだが卑怯な日本兵が出て来て苦境に立つというもの。
今回は 池内博之がこの格闘技オタクの役をしているが、中国人が考えるまったくステレオタイプの日本人でその部下の日本人もそう。まだ部下の方が「こんな格闘バカが上司じゃそりゃたいへんだよな」と同情出来るぐらいまだまし。
最初に賑やかな佛山の街並が出て来てその後日本軍が侵略して荒れ果てた街並に変わるのだが、その前から中国という国自体ボロボロだったのに(軍閥、財閥、腐敗官僚が入り乱れまさに戦国時代)。愛国心鼓舞しまくっているがこの時代に真面目に国の事を考えている人間はほとんどいない。大学生たちはデモとか起しているがそれで流れなど変わる訳も無く大人たちに利用されるだけ。
そんな大陸映画だが香港でも大ヒットしており続編も作られることに決定。
「精武門」ジャンルが確立されるぐらい詠春拳は中国人(特に広州・香港)大好きである。しかし最近の内容はどれも大陸寄りでうんざり。嫌な日本人が出て来てうんざりするのではなく、結局人民に対しての安いプロパガンダになっている所がたまらない。撮ってもいいんだけど、撮るならちゃんとした血の通った人間ドラマを撮ってくれー。
ほんの数年前に「柔道龍虎房」を撮った香港はどこに行ったんだ??