看板だらけ

ボスがまた映画の資料を持って来た。ドニー鄭子丹主演「葉問」である。
「中国の街並をさ、こういう風にしたいんだよね。」
ボスが選んだのは広州佛山の街並。ズラッと狭い道筋に看板がみっちり連なっている。
「‥…これ、全部作るんですよね?」
「小さい看板はいいからさ、大きいのがいっぱいあるのがいいね!」
そこでもう一人の助手の男の子が
「僕、この映画の撮影時に別組で横店いたんで、実際の写真ありますよ。」
横店の写真は更に鮮明で、やっぱり画面いっぱい看板だった。
「じゃ、そういうことでよろすくー。」
それから看板浸けの日々である。幸いなことに私たちのドラマは清朝末の時代設定で、「葉問」より年代が上がる分簡単に済ませられる。それでも数がハンパない。
確かに他の資料を見てもこの当時は結構看板がたくさん道に掛けられている。
とにかく数をこなそうとどんどん図面を描いていった。
それである日ふと前に描いた図面を見直したら、やたらデカイ事に気付き大慌てで大道具さんに言ってサイズを直してもらった。歩道いれても9メートルしかない場所に横幅7、5メートルの看板は無いだろうw どうやら考えているうちにどんどん大きくなったらしい。ヤバい。
映画「葉問」のセットはかなりいい出来。映画の中でどこまで映り込んでいるのかわからないけど(映画自体はまだ見ていない)、細かい部分まで手を抜いていないのがわかる。そういう他の人の仕事を見るのは楽しい。