映画「愛人/ラマン」を観る

資料としてボスからいくつかネットからコピーした映画を渡される。その中に「愛人/ラマン」があったので、それから先に観る。
愛人/ラマン」は1929年のベトナムが舞台だが、その中の埠頭と船が今回のドラマのセットに使える。
かなり前に観た事があるがもううろ覚え。当時は主演女優のジェーン・マーチの演技が話題になったが、相手役の梁家輝(レオン・カーファイ)もかなりぎりぎりまでがんばっている。「色、戒」のトニー梁朝偉に匹敵するぐらいだ。ただ梁家輝の方が若いので体はプリプリ。
「ラストタンゴインパリ」といい、この「愛人/ラマン」といい、主人公の男の「人生終わっちゃった感」は凄まじいものがある。一生かかっても使い切れない財産と自分の意思や自由の無い華僑の家制度の中で育った男が、少女との情愛に溺れていくのである。
そういった絶望感は20代に観たときより今の方が深く理解出来る。ただこれが「愛」なのかと言われると?である。結局自分の中の絶望感を少女との情愛で埋めようとして失敗しているだけだ。埋まるわけないだろう。
欧米映画にはこういった中年男×少女の組み合わせの名作は多いが(「シベールの日曜日」「レオン」「ロリータ」とか)、日本だと規制などで無理そうだ。美少女に魅かれるのがどいつも寂しい中年おやじっていうのが同年代としてはやるせない。