ニュースにはならないあるドライバーの話

今回のPVのドライバーさんは私の家の近くに住んでいるので、朝晩一緒に車に乗る事が多かった。
そこであれこれ世間話をした。
「僕の奥さんは今大学のために塾に行ってるんだ。(これが入学試験のためなのか卒業試験のためなのか聞き取れなかった)」
「頭いいんですね。」
「僕らは山東省出身なんだけど、山東省は北京に比べると大学に入るのが難しくてね。彼女の兄貴も姉さんも学校に行けなくて、末っ子の彼女だけ高校まで行けたんだ。」
「そうなんだ」
「その兄貴がすごく妹思いでさ、学費が出せなくなったら自分の子供を売ってでもお金を出すっていうんだよ。」
「それはあかんよw」
「つまりそれぐらい妹思いなんだよ。」
北京が他の地域より大学に入りやすいという話は知っていた。大学の数が多いし、北京人が北京の大学を受験する場合点数が上乗せされるからだ。ということで北京の大学に通う外地人(北京以外の出身者)はかなり頭がいい。私から見ると北京人の大学生はお金もあって遊んでいるし勉強に対する意識も低い。親に言われたからとにかく何でもいいから大学に入った感じだ。しかし外地人は違う。それこそ寝る間も惜しんで勉強する。家族が借金をしてまで、家畜を売ってまで仕送りしているのを知っているから必死である。しかし卒業した後の大学生の就職率は極めて低い。確か1ケタだったと思う。後はコネでどこかに入り込むしか無い。しかしコネのない外地人はそこでも困難にぶつかる。その辺の事情は劉イエ主演ドラマ「我們生活的年代」に表れている。
コネはひとつの弊害である。裕福な階層出身者しか椅子を取れない椅子取りゲーム。