「開往春天的地鉄(春行きの地下鉄)」を見る

助監督の部屋に行ったらキャスト表があった。若手人気オールスターキャストである。それで8日に衣装合わせと書いてあったので、「もしかして会えるかも!?」と少しウキウキしていたら美術班は6日に天津に移動が決定。嗚呼。
そしてまた夜の12時過ぎに「開往春天地鉄」という映画をやっていたので見る。主演は徐静蕾、耿楽(Geng Le)、「夜、上海(夜の上海)」を撮った張一白の初監督作品である。
何かと大監督の大作にばかり目がいきがちな中国映画だが、新しい監督の作品も見た方がいいだろうと思って見ていた。
おしゃれな作りの映画だ。途中でカメラ目線で人物が語りかけてきたり、空想シーンをうまく間に挟んだり、新しい監督らしい自由な発想が見られておもしろい。中国の匂いは一切なく普遍的な3組の都会の恋のお話である。しかし。
これを北京で撮るとまったくちぐはぐな印象しか受けない。まず話の中心となる夫婦は一体何をして生計を立てているのか。古いマンションをアート系オサレに内装して毎日地下鉄で出かける外地出身の夫婦。2002年の作品なので当時の北京がどうだったのか大体知っているが、当時こんな夫婦が一体北京に何組いたのか。そして妻である徐静蕾に思いを寄せる喫茶店のオーナーは完全にミスキャストだろう。ここはやっぱり年下イケメンでなくては!!そしてそのオーナーが世話をしている動物の小熊4、5匹にはドン引きだ。そして「僕がいなくなったら後を頼む」って何でやねん。
そして服装と音楽が手抜きすぎる。林家パー子コーデの高圓圓はあまりにもかわいそうだ。
徐静蕾は数多い主演作品の中でこの映画が一番きれいに映っている。他では目の隈やシワが目立っていたり顔色がくすんでいたりして「この人って美人だと思うんだけど...?」といつも疑問だった。この映画では最初から最後まで美人だ。
テーマはすごくよく分かるしセンスもあると思うので、今度は中国以外の場所で撮ってみた方がいいかも。