「ハマのメリー」を知っているか

今日から中央劇戯学園で「2008REAL」というイベントが始まった。最近の日本のドキュメンタリー映画6本を紹介するイベントである。そこで私も会場の飾り付けなど手伝ったりした。
6本どれもとても興味深いものばかりだが、私が一番見たかったのが「ヨコハマメリー」である。
気がつけば性工作者がテーマになった映画を私は良く見ている。この映画に出て来るメリーさんも戦後街角に立ち商売をしていた。60歳を過ぎても仕事を続けて真っ白なメイクとレースの衣装がかなり特異な印象を与えるがその笑顔が本当に美しい。世の中でうまく立ち回れなくて、まわりから損な役回りと荷物をどんどん押し付けられて、苦しいはずなのに文句も言わずちょっと悲しい笑顔を見せる、そんな人である。
メリーさんの映画の話を聞いたのは去年のことだ。北京にいる間に見られるなんてラッキーである。
映画はいつも街角に立っていたメリーさんがある日忽然と姿を消すところから始まる。その後メリーさんのことをよく知っている人たちのインタビューが始まる。
そこからメリーさんと伊勢崎町の関係、メリーさんを見守る人々との関係が浮かび上がってゆく。そして次第にメリーさんという概念が実体を離れて一人歩きしてゆく。人々がメリーさんに見ているのはメリーさん個人ではなく、実は既に失われた自分の過去だったりするのだが、例えそうであってもメリーさんはそのまま受け入れる。彼女が拒否するのは憐れみや同情だけである。
イベントは24日まで。詳細は
http://www.2008REAL.cn
まで。