助演男優賞は80歳のじいさん

北京も日に日に寒くなり今日からは暖気も部屋に入ったので、こういう時は家でまったりDVDを観るに限る。
最近話題沸騰の「海角七号」を観る。最初から台湾語の洪水で字幕を一所懸命追っても追いつかない。でもこの掛け合いを理解しない事には映画の面白さ半減である。言葉って難しい。
唯一の日本人である友子は気の乗らない仕事を言いつけられて前半は常に怒りまくっている。しかしそれが地元の人間にちっとも伝わらない。
「何か知らんけど日本の女の子がヒス起こしてるで」
「あいつの中国語何言ってるか自分分かるか?」
中国人にしたら日本人の印象なんてこんなもんである。この役を演じている田中千絵は前半のこの怒りの演技はすごくいいのに、途中ホテルの清掃員と日本語で会話するシーンになると途端に棒読みになるのは何故なのか。中国語のセリフを日本語に翻訳したまま話している。まったく自分の言葉になっていない。
あと2人が何故お互い好きになったのか全然分からなかった。酔っぱらったはずみでもないし。
最近の台湾映画は若い人を中心にいい作品が出て来ている。実は台湾の俳優が大陸で撮影するのは可能だが、大陸の俳優が台湾で撮影することは許可が下りない。この事だけ見ても大陸と台湾の間には依然深い溝がある。台湾独資の映画が大陸で公開する事はありえないが、ネットで検索できるし(海賊版)DVDで観る事は簡単だ。国レベルでは無理でも水面下で交流が深まればいいなと思う。