天津から北京へ

船は渤海に入ってから落ち着きを取り戻し私の船酔いも静まった。それでもさすがに本はもう読めないので申さんと一緒に船をぶらぶらする。
ずっと本を読んでいた私とは違い、申さんはすっかり他の乗客と仲良くなっていた。しかも申さんは船の上では貴重な美人さんなので友達になったのはみんな男性だ。
その中の2人から北京まで車で帰るから一緒に帰ろうと私も誘われる。1人でどうやって帰ろうか悩んでいたのでラッキーだ。
その後無事に船は港に着き税関も問題なく進む。ところがその一緒に帰る人の荷物がチェックを受ける。中見は日本産粉ミルク2ダースほど。量が多すぎるから日本に持ち帰れと言われたらしい。そんなアホな。
「天津の税関に知り合いがいれば問題無いんだけどなあ。」
中国産ならいざ知らず日本産なのにとその人も残念がっていた。
その後申さんは天津まで迎えに来た恋人と一緒に帰っていった。残された男性2人、その2人を迎えに来た男性と私はそのまま高速をひた走って北京へ。多分申さんがいなかったらこの組み合わせで車で帰る事はなかっただろう。そのまま家の近所まで送ってもらい別れる。申さんありがとう!