つかの間の安息

午前中道具の整理をしたら、やることがなくなってしまった。明日は朝6時に大連に向けて出発する。今回の組は時間をたっぷり取ってスケジュールを組んでいるので楽な方だ。そうは言っても3月末からずっと休みなし。その間に気になっていた映画が上映されたり終わったり。「赤壁レッドクリフ)上」はうんと後にDVDを買って観ることになりそうだ。
夕方いつものCCTV6の映画番組を見ていたら、劉イエのインタビューを放送していた。長春映画祭が終わったばかりのインタビューだ。(この映画祭の特別番組はちょっとしか見ていない。劉イエがステージ上でかなり舞い上がっていたが、どうも司会っぽいことをしたらしい)
劉イエは長春生まれ。父親は長春映画撮影所の照明技師なので小さい頃から撮影スタジオに出入りしていた。去年仕事で何度か長春映画撮影所に行ったが、雰囲気が調布の日活撮影所に似ている。歴史も古いが建物もそうとう年期が入っている。中庭に放置された道具の飛行機で子供の頃よく遊んだと語った。
自分が俳優になるのを最初は反対した父親だったが、劉イエが大学2年の時にもう役者をやめようと悩んだ時、引き止めたのも父親だった。「4年間の勉強を全うしてからその後の進路は考えろ」この言葉が無ければ今の劉イエは存在しない。
初めての映画デビューもこの撮影所だった。監督もよく知った人だしスタッフは皆父親の同僚なので、とてもリラックス出来た。ほんのチョイ役だったが山峡から北京までの移動で飛行機に乗せてくれたりして、その時は初めて飛行機に乗るので興奮しながら両親に電話した。
その後あっと言う間にスターになった劉イエだが、今でも長春が大好き。きっと長春撮影所の中では、今でも「スター劉イエ」ではなく「照明技師の○○さんちのボク」みたいな扱いなんだろう。劉イエの性格がいいのはそんな高飛車になれない環境があってこそかも。