陳坤ドラマ「新不了情」放送中

ある日夜テレビをつけたら陳坤が出ていた。6月1日から中央テレビCCTV8(ドラマチャンネル)で放送している「新不了情」だった。そういえば前にドラマ化の話を聞いたことはあるがあまり期待していなかった。「新不了情」と言えば「つきせぬ想い」という邦題で有名な純愛闘病ものの名作香港映画である。主演は劉青雲(ラウチンワン)とアニタ袁咏儀で監督は爾冬陞(イートンシン)。あまりにも有名な映画のドラマ化だとかなりレベルが下がるのでは懸念していたのだ。
しかしドラマでも総監督として爾冬陞が出ていて(どこまで制作に関与しているかは不明)、主演は陳坤(劉青雲の役)阿敏の実の父親役で方中進、その妻に陳小芸とくれば本気度が伝わってくる。
ドラマは30話まであるので、阿敏と阿傑との恋の展開の他に親世代の恋のもつれがプラスされている。これが話の設定に無理がなくすんなりと馴染んでいるところに拍手。それぞれの役の心の動きに矛盾が無くてそれぞれに感情移入出来る。一人も悪人がいないのは爾冬陞作品の特徴。現実の世界もそうだし。
阿敏役は映画「女人本色」でジジ梁咏[王其]と共演した薛凱[王其]。このドラマで実は案外若いことが判明。屈託のない明るい阿敏をうまく演じている。映画にはない設定の方中進と陳小芸はベテランなので当然うまい。特に陳小芸は嫉妬のさじ加減が抜群。寛容な妻を演じようとして失敗する実は弱い女性に好感すら持てる。
このドラマは大陸では普通語放送で香港人のパートのみ吹替え。でもこれには違和感が残る。口の動きは広東語だし、例えば陳坤は普通語で話して薛凱[王其]は広東語で話しているのが見ていてわかる。大陸のドラマ出演が多くなっている方中進も吹替えで、彼の生声が聞けないのも残念。
陳坤は若い男に逃げた母親とのわだかまりが残る少し影のある男の役だが、阿敏と軽いセリフのかけあいがあったりして、いたって健康。今回はオーラ少なめ。