四川で大地震

日本人の場合、例えば大きなプロジェクトを始める際には前もってあらゆるリスクを想定して対策を考える。中国人の場合は、何が起きるかなんて前もってわからないものを考えるのは無駄だけど問題が起きたらすぐ動けるようにするというのが基本。この違いは一緒に仕事をする時にすごく感じる。
「もしもこの小道具でダメだと言われた時のためにいくつか別のものを用意したほうがいいですよ。」
「ダメだと言われた時に何とかするから、今はいい。」明らかにダメ出しされるのは目に見えているのに私の話に耳を貸さない。それでやっぱり「ダメだ」と言われてどうするのかと思ったらいろんな所に電話して1時間後には言われた物を探してくる。結局コネかいと思ったが、結果から見れば問題は解決している。
北京では今建築ラッシュだが、建てている過程を見ててもかなり危ない。
「わりと大きなビルでも基本レンガとブロックなんですが、地震とか大丈夫なんですか?」
地震はめったにないから多分大丈夫なんじゃない?」
「でもまったくないわけではないですよね?76年の唐山地震の時には北京にも大きな揺れがあったって聞きましたよ。」
「ああ、あの時はたいへんだったらしいね。オレまだ小さくてさ・・・(そのまま当時の話に移行)」
そして当時と今とさほど変わっていない地震対策。さすがに中国中央テレビ本社ビルくらいになれば、何かしているだろうが。(しているのかなあ)
こんな心配をするのは、四川地震のニュースを見てて倒壊している建物がやっぱりレンガとブロックで出来ていて、山間を走る幹線道路の崖が工事した時に削ったままのむき出しだったからだ。でもこの地域も70年ほど前に一度大きな地震を経験している。でもその後地震対策がされていないのは明らか。
今年の春節に見舞われた積雪30cmほどの「豪雪」も送電線の鉄塔が倒れて列車が不通になったりしたが、これも50年前に同じように雪の被害を受けている。でも改善されていない。多分これからも。
しかし対応は早い。胡錦濤主席の鶴の一声で、大量の人民解放軍を投入、温家宝首相は早速現地入りして指揮を執っている。大きな事件が起きるたび、後手後手の対応しか出来ずあたふたする日本の政治家とは大違いである。
入念に準備はするが突発的な出来事に弱い日本。
想像力はないけど動きは速い中国。
両方混ざるのが一番いいんだけど。