編集したてのドラマ

夜、編集し終わったばかりの病院のシーンを見せてもらった。撮影した分はすぐに編集に回されて、監督は毎日編集具合をチェックしている。病院のシーンは殆どの科白が英語だがあらかじめ台本を読んでいるのですぐにどのシーンかが分かる。ちゃんとアメリカの病院に見えるかドキドキしながら見ていたけどそれほどおかしくはない。しかしナースセンターに大きな星条旗があるのはやりすぎではないかと思ったが(笑)その中で医者役に扮していたのが何とドラマ「五星大飯店」の中で総経理の役をしていた人だった。おお。事前に知っていたらちょっと会いたかった。もしかしてこのドラマは中国にいる外国人俳優を総動員しているかもしれない。
 最近ネットを見て気になったのが、映画の批評で「中身がない」と言っている人をよく見かけること。でもそういっている人が見た映画って内容を重視していない作品だったりするので私は首をかしげてしまう。重厚なテーマのどっしりした映画が見たいのであれば何故その映画を見るのか。映画というのはストーリーを追うもの、雰囲気を味わうもの、派手なアクションでスカッとしたいもの、豪華なCGで架空の世界で遊ぶものといろいろジャンルがあるのに。おいしいイタリアンを食べた後で、「実はトマトは苦手」って言われても店も困るだろう。「批判的な批評の方が褒めている批評よりえらい」みたいな勘違いは早く気付くべきである。しかし例えば、配給側が確信犯的に「感動の涙!」とか「究極のラブストーリー!」とかものすごく底上げして派手に宣伝して、それについ乗せられて見た観客が「騙された!」と怒りの末に「中身がない」と叫ぶのであれば、それは納得する。平常心で映画を見ることは案外難しい。