明日からロードショウ「投名状」

映画を見ていて、その国の文化背景も理解すると映画の内容も更に深く理解できる場合がある。例えばその国の宗教文化とか歴史上の事件とか。
中国の作品で言えば、京劇、古典文学の引用が多い。映画の中の京劇の題目が内容と強く結ばれていることが多い。(「覇王別姫」「三岔口」など)
「投名状」も実際に起きた事件を原案にしている。元は清朝4大冤罪案の一つで何度も映像化されていて、更に1973年に香港で映画化された「刺馬」は名作となっており中国人にはお馴染みの話らしい。
その元ネタ「刺馬案」というのは、清朝初期に張□(さんずいに文)祥が、アニキ分の黄縦の妻を奪いその上殺害した馬新胎に復讐した後、あっさり自首して極刑で死んだというもの。馬新胎殺害の動機も、自首した意図も曖昧なため、清朝4大冤罪案の1つになった。
それをピーター陳可辛監督は時代を清朝末期に変え、主人公の名前も変更。でも話のあらすじは変わっていない。
そうなると気になるのは清朝4大冤罪案の他の話。
●楊乃武と小白菜
●楊家三番目の娘の告訴状
●淮安奇案
他に清朝4大奇案もあり、
太后下嫁
順治帝出家
●雍正刺される
●皇帝の子供の取り変えばや物語
と言われてもよくわからないが。清朝自体が長いので他にも「4大○○」がたくさんある。
予告編を見る限り、かなりグロテスクなシーンも多い。それというのも陳可辛が戦争のリアリズムを求めたからだ。ある時、戦いのシーンで木刀が本物に見えないので、金属の刀に変えろと陳可辛が指示したら、スタッフ俳優から「それじゃ本当に怪我しますから!!」とダメ出しされた。確かに(笑)