現代のシンデレラボーイ王宝強

映画のクランクインまで少し時間が空くので久しぶりに映画館に行く。最初ネットで公開状況を見ようと思ったがよくわからない。(日本や香港のようにどの映画館でどの映画を上映しているかという情報が載っていない。)それで中関村にある2か所の映画館に行くが姜文監督の「太陽照常昇起」は既に終わっていて「C+探偵」「兄弟」「鉄三角」はやってはいるが吹替えということで結局何も見ず帰って来た。ネットでもちゃんと探せば公開状況は載っているのかもしれないが、めっきりDVD派になってしまった私はしつこく探すのをあきらめた。それにしても大陸の映画公開システムはよくわからない。どこに行っても同じ映画を流しているとしか思えない。しかもロングラン上映とか2番館とかも無い。その点東京はいろんな映画が見られてよかったな。
そんな大陸で今一番人気者の役者こそ王宝強である。馮小剛監督「天下無賊(イノセントワールド)」でイノセントな(私から見れば中国であんな大金持って汽車に乗ること自体大バカ以外何者でもないが)役がウケて一気にお茶の間に浸透。しかし一般評価では「あれは演技では無く素だ」という認識が強かった。それをひっくり返したのがドラマ「暗算」の異常に聴覚の優れた盲人役だった。そして今年とうとう「士兵突撃」という軍隊ものテレビドラマで主役をやってのけた。これがまた視聴率も良く好評なのである。これを日本で例えるとしたらつぶやきシローがブレイクしてゴールデンで冠番組を持ったら視聴率30%いったぐらいすごいことである。(他に妥当な例が見つからないが)
もともと小さな農村出身で役者になりたくて少林寺で拳法を習ったこともある。それでも仕事の無い時は家に戻って農作業の手伝いをしていた。デビューは「天下無賊」の前に「盲井」という映画に出演して目立たなかったが新人賞ももらっている。つまり隠れた実力者だったということだ。
しかしいくら人気者になっても、それは彼のあか抜けないキャラがあってこそ。それさえ忘れなければ今後きっと大物俳優になるに違いない。