「海岩ドラマ」に注目

最近の中国ドラマのキーワードは「海岩」。元警察官の小説家であり、自分の原作をもとに脚本も書いている。海岩原作のドラマにハズレ無しとまで言われているが、これも彼自身がドラマ制作に深いこだわりを持っているからだ。まずキャストは必ず新人を起用。そして撮影前から役づくりの準備期間をもうけている。これは人気俳優を使っていては出来ないことだ。そして自分の経験を生かした警察内部の話が多いが、これが細部まで丁寧に描かれていてリアリティたっぷり。
確かに彼のドラマはどれもおもしろい。各作品監督は違うがイメージに統一感がある。こういった脚本家の名前が全面に出ることは少ない(中国では彼ぐらいだろう)そして「海岩ドラマ」に主演した新人は必ずスターになるとまで言われている。陸毅(ルー・イー)、孫麗(ソン・リー)等がそうだ。
おもしろいドラマの基本として脚本がしっかりしているのは当然だが、それ以外でも「海岩ドラマ」のいいところはたくさんある。まず役に合った俳優を選んでいて端役でも演技がしっかりしていること。イメージ通りのロケ場所を探し出すこと。ドキュメンタリーのような撮影方法で緊張感があること。手を抜かずに制作すれば良いドラマが出来るという見本である。