「刺馬」改め「投名状」

ピーター陳可辛監督の話題作「投名状」のネットページが今日から公開された。予告編も見れるとのこと。
http://ent.sina.com.cn/f/m/cima/index.shtml
そして早くも公開日が12月13日に決定。韓三平率いる中国電影集団(映画制作会社)のやることはさすが早い。
最近CCTV中国中央テレビ。国営放送)の「人物」という30分番組に陳可辛が出ていた。これも「投名状」の宣伝の一種かもしれない。前作「如果、愛(ウィンターソング)」の撮影風景を中心に監督のインタビューを交えながら放送された。そこからつまみぐい。
「『怒れる若者』という表現があるが、僕自身は上の世代に抑圧されたこともないし、何かに対して憤りを感じたこともない。父とも仲良しでよく話をするし、この世界に入ったのも父の勧めがあったからだ。」
「撮影現場で僕が一番プロフェッショナルではないかもしれない。まわりのスタッフはもちろんプロとして一流であり、彼等が準備したものを選択するのが僕の役目だ。それがとても苦労することなんだけど。」
「いつもスターの役者を起用するのは彼等に才能があるからだ。僕は素人の才能を見抜いて魅力を引き出すタイプの監督ではない。ニュアンスを伝えただけでその通り演技が出来る人はおのずと限られてくる。」
彼の父親も映画関係の仕事だ。(具体的な仕事は聞き逃してしまった)「如果、愛」ではホテルの受付係として登場している(!)これはかなりの例外で若い時は仕事に精一杯で家族が現場に見に来ることを拒んでいた。(普通中国ではスタッフはなんだかんだと家族親戚友人を撮影現場に招待することが多い。)
そして北京での「如果、愛」の撮影風景も映ったが、特にぴりぴりした感じでもなく陳可辛らしいといえばらしいかも。花火をビール瓶の中に入れて凍った河の上に転がすシーンだけで何テイクも重ねたり、金城武と周迅が荷台付き自転車に乗っているシーンで思い通りに進まずレシーバーでどうするかやり取りしたり、何事にもじっくり考えて撮影していた。
彼は監督としてもプロデューサーとしても基本的な作品のイメージはずっとデビューから変わっていない。観た後に心がほんわりと暖かくなるものばかりだ。これも彼の映画のポリシーだといえる。