「夜宴(女帝エンペラー)」を観る

馮小剛監督「夜宴」がテレビで放送されていたので観る。実はこれが初めて。馮小剛はもともと美人のヨメを主演にした庶民の生活を描いた作品が多かったが作る毎に作品が大型化し、とうとう中国トップスターを起用してこの大型時代劇映画を撮ることになる。公開当時も話題になったが私はどうしても観る気になれなかった。その理由として個人的にこの監督の作品が好きになれないからだ。「手機」はケータイが現代中国人にもたらす悲喜こもごもを描いて大ヒットしたが、話自体が古い。その次の「天下無賊(イノセントワールド)」はアンディ劉徳華、ルネ劉若英の2大スターを起用してまたまたヒット。しかしこれも「絶対ありえないだろ、中国で」という設定と安易に妊娠を神聖化している感じがしてやはり好きになれなかった。ただ美術出身の監督だけあって「手機」に登場するセットや、この「夜宴」のセットなどかなりこだわっている。
しかしテレビで見られるとなれば気楽。ノーカットでCMが入るのは1回だけなのでたっぷり鑑賞出来る。感想はと言うとストーリーは普通。葉錦添の衣装と人物造形は素敵。皇宮内のセットも渋く抑えられいる。竹林の中のセットは最初CGかと思ったがアクションシーンもあるし、どこまで実際のものなのかわからなかった。役者は演技達者な人ばかり揃えたのでもちろん文句無し。この中の黄暁明はこれからもっと有名になるに違いないイケメン俳優なので要注意である。
今日本でも公開されているが、邦タイトルの「女帝」に惑わされないように。そんな意味じゃないから。映画の内容は。章子怡を全面に出してものすごく大雑把にわかりやすく言おうとしたらこうなったみたいな邦タイトルだ。「夜宴」のままではだめなのかな。「人生って結局一夜の宴」という意味ではこれで合ってると思うが。あとあまり中国版ハムレットというコピーも気にしない方がいい。観て損はないと思うので、まだの人は観てみよう!