「黄金甲」を観る

朝イチで「黄金甲」を観る。あんなに大陸中が熱中した映画なら、観ておかないといけないと思った。しかし観た後、これで騒ぐ大陸がますますわからなくなった。誰か現場で張藝謀に「これでいいんすかっ」て意見する人がいなかったのだろうか。多分現場では最高だったんだろうな。大スター周潤發(チョウユンファ)や周杰倫がいて、セットは奇麗で衣装は豪華。しかしそれがカメラを通して大きなスクリーンに映し出されると、何とも奥行きがなく薄っぺらな印象に変わる。特にセット。横店の既存の建物にあの丸い菊花台がまさに「取って付けて」作られているが、もうそこは手垢に塗れ過ぎていてまったく新鮮感はない。瑠璃が多く使われている廊下も均一に照明が当たっているせいなのかひどく安っぽい。材料はとても高価なものを使っているはずなのに。そしてみんなが褒めたジェイ周杰倫の演技に至ってはもう民族が違うと見方も違うのだと思わずにはいられない。良かった点は周潤發の貫禄と劉イエのおどおどした演技ぐらい?鞏俐(コンリー)は余裕でいつもの演技をしていただけ。多分「始皇帝暗殺」の時よりも楽チンだったのでは。
そんな劉イエはこの「黄金甲」とほぼかけもちでアメリカで撮影していた「DARK MADDER」がようやく完成したもよう。テレビでちらっと予告編を見たが、何とも普通の大学生だった。私はもっと陰気な役かと思っていたが。