「妄想」DVDを観る

戦争ものとともに敢えて手をつけないジャンルがホラー。しかし彭兄弟(パンブラザーズ)は別。気付けば「見鬼(The Eyes)」や「鬼域」も映画館で観ている。彼等の映画はもちろん恐怖映画なのだが、普通の映画としても成立しているところが好き。そして前世は女だったのかいとツッコミをいれたいぐらい女性心理に長けているところもいい。そしてどの映画にも話の中に「はは〜ん、これは後半部分の伏線だな」なんて予想出来るどんでん返しの上に更に大どんでん返しが用意されている。
ストーリーはネタばれになるので割愛。今回の主役は阿sa(蔡卓妍)が演じている。彼女はTWINSというアイドルとしても人気だが、女優としてももうすでに大きな地位を確立している。実際こんなに有名になるなんて思ってなかった。丸顔でてんであか抜けない。しかし気付けば「恋愛起義」から私は彼女の作品をずっと観ている。「千機変」ではハードなアクションをこなし、「情癲大聖」ではニコラス謝霆峰を差し置いて彼女が主役の映画になっていた。役の幅もコミカルからシリアスまで出来る。この映画では失恋して精神に異常をきたす役だが、いつもの明るさは一切ない。角度によってはチャーリー楊采[女尼]にすごく似ている。そこは「再説一次我愛ni」「新警察故事」で共演したから?今後もっと大物になる予感大である。
ところでこのDVDも、もちろん海賊版。パッケージに「広東語バージョン有」と書いてあった。でもそう書いてありながら普通語配音のみの場合もあるので、お店で視聴してから購入。しかし、家に帰ってから観てみると何かがおかしい。実は広東語のセリフは劇場での録音だったのである。しじゅうゴソゴソという音と観客の声が聞こえる。「また騙されたよー」と思いながらも観ていたが、これがけっこう面白かった。香港人は映画を見る時のリアクションが素直。例えばこの映画の中で、2人が食事をしながら話すシーン。
ショーン余文楽「僕はまんざらでもないと思うよ」
阿sa「え!?」
文楽「いや、君の料理が、さ」
ここで観客の笑いドカーン。こんなベタなネタに受けている香港人が好き。