女同士のバチバチの戦い「惡女(悪女)」

台湾では10月27日から一般公開。 監督は長編アニメ映画「幸福路上(幸福路のチー)2017」が好評だった宋欣颖(ソン・シンイン)。主演は林美秀(リン・メイシユウ)と邵雨薇(シャオ・ユーウェイ)。林美秀は誰もが知っているベテラン女優。邵雨薇は、そのキ…

小天が次々と撃ちまくる「周處除三害(我、邪で邪を制す)」

関空で一夜を過ごし、台北に朝10時頃に着いて、午後4時頃に映画祭で観たが、前半部分ほぼ寝落ちしてしまい、後日一般上映で観直した。 「周處除三害」は故事から取られたタイトル。周處という嫌われ者の暴れん坊が三つの害(虎と蛟と自分自身)を駆除したと…

台北で今一般公開している映画

今日から始まった金馬影展。私自身ももうすぐ台湾に向かう。ということで映画祭以外の映画もチェックに抜かりはない。 もう既に上映中なのが「惡女」 長編アニメ「幸福路上(幸福路のチー)2018」の監督宋欣穎(ソン・シンイン)の最新作。父親の再婚相手に…

人はどうして自殺してしまうのか「年少日記」

2日しかない休みの中で是非とも観たかった作品。監督は新人の卓亦謙(ニック・チェク)、プロデューサーは爾冬陞(イー・トンシン)。香港では11月16日から一般公開される。 卓亦謙監督は長編映画はこれがデビュー作だが、これまで多くの脚本を書いている。…

思いやりのある世界を描く「老狐狸(Old Fox)」

寡作な蕭雅全(シャオ・ヤーチュエン)監督の長編映画第3作品目。 時代設定は1989年。株価と不動産価格が一気に跳ね上がったが、その後バブル崩壊で一気に急落した。そんな時代背景の中のある父子家庭の生活を描いている。 父親役は劉冠廷(リウ・グァンティ…

台北金馬影展2023スケジュール発表

やっと全部の作品とスケジュールが発表された。短い有給休暇の中でどれだけ観ることが出来るだろうか? 台北金馬影展 Taipei Golden Horse Film Festival 台湾映画が多いのはもちろんだが、日本映画もかなり多い。今年はゲストも多く、役所広司特集も組まれ…

秋は怒濤の映画祭ラッシュ

毎年秋になると東アジア各地で映画祭が開催される。コロナ渦のうっぷんを晴らすかのように今年はどれもゲストをばんばん呼んで豪華になっている。そして私は、今年も有給を使って台湾の金馬に参戦。 まずは10月4日~13日に開かれるのは釜山国際映画祭。 www.…

台湾の選挙が分かる「人選之人─造浪者(Wave Makers〜選挙の人々〜)」

Netflixで4月28日から配信していたのをやっと一気見した。約50分×8話の選挙のお仕事ドラマ。裏取引とか権力闘争とかのドロドロした展開は少なめで、如何に党として選挙を運営するかということに重点が置かれている。 台湾に行くと、街中に一番多く見かけるの…

ワイヤーもCGも無し!(多分)「ベイビーわるきゅーれ」がNetflixで配信中

9月18日からNetflixで配信開始。イマドキの高校生が実はプロの殺し屋だった。その性格とアクションのギャップがすごい。 ものすごくシステマティックな殺し屋稼業を請け負っている2人の設定が面白い。映画「レオン」もそうだが、殺し屋なんてそもそも社会不…

Netflixで2度見する「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

実は日本で公開した時に真っ先に観に行ったが、「並行宇宙を行き来する壮大な母娘ゲンカ」ぐらいしか訳が分からず、観ている間中ずっと「?」が点滅しっぱなしだった。 いろんなパターンがあるが、このポスターが一番好き。 なので今回改めてじっくり観るこ…

90年代の名作も蘇る「獨立時代(エドワード・ヤンの恋愛時代)4Kレストア版」

90年代前半の台北が舞台。さまざまな人物が入れ代わり立ち代わり登場する群像劇。それを2時間にまとめ上げてハッピーエンドで終わる脚本が素晴らしい。ちょっとしか出番がない役にもキャラを持たせているので、いろいろ想像するのも楽しい。 時代背景として…

誰が一番の悪人だったのか「DELETE/デリート」

Netflixで6月28日から配信開始。15日は台風のため1日中家にいたので、全8話を一気に見た。 タイでおもしろい映画や作品を作り続けてヒットを飛ばしているgdhとNetflix制作のドラマ。 主演は映画「スピード&ラブ」のナット・キッチャリット。今回は2枚目路線…

濱マイクが令和に蘇る「私立探偵 濱マイク 30周年記念4Kリマスター版」

映画が上映された1994年といえば、私は東京に出てきたばっかりで、渋谷で働いていたにも関わらず映画を観に行くことはほぼ皆無だった頃である。 そして当時の永瀬正敏は、サントリーのザ・カクテルバーのCMで「愛だろ、愛っ。」を流行らせたり、J-PHONEで映…

神戸の名画座パルシネマしんこうえんで「ベルリン・天使の詩 4Kレストア版」を観る

昔から映画が好きだったが、足繫く映画館に通えるようになったのは自分で稼げるようになってからだ。日本での公開当時はまだ貧乏な学生で、大ブームになったのは覚えているがちゃんとは見ていない。 流石4Kレストア版で映像がきれい。 天使が人間に恋をして…

宗教が人を不幸にしてしまう「ザ・ホエール」

立て続けに人が緩慢的な死に向かっていく映画を観てしまってちょっと気が重い。これもA24が製作している。 元は戯曲なので登場人物は多くない。でもその分キャラが濃い。それぞれがアンビバレントな感情を抱えて爆発している。チャーリーは緩慢な自殺を図っ…

6月11日から前売り券発売開始「第25回台北電影節」

夏の風物詩である台北電影節は、今年は6月22日から7月8日まで開催される。私は有給休暇をMIRRORのライブに回さないといけないので、今年は残念ながらパス。 www.taipeiff.taipei www.youtube.com 今年のイメージ大使は王淨(ワン・ジン)。宣伝用の短編は九…

エモいだけじゃない、ひと夏の思い出「アフターサン」

これほど説明を排した映画も昨今珍しい。20年前に父親と過ごした夏の思い出を振り返るが、大人になってその思い出の中に新しい発見をする。 楽しい思い出のはずなのに、映画の冒頭から何やら不穏な雰囲気だ。というのもBGMが何ともいえない不安な音楽なのだ…

ケイト・ブランシェットのカリスマ性が最高「TAR」

とにかくケイト・ブランシェットが超かっちょいい。 でも性格は最悪。でも本人は無自覚。周りの人間も何も言えないから、好き勝手がそのまま通ってしまう。 ターの音楽の才能は紛れもないものだが、その唯我独尊で横暴ともいえる性格が災いして、後半一気に…

Netflixで「ミナリ」を観る

「BEEF/ビーフ〜逆上〜」がおもしろかったので、スティーヴン・ユァンつながりで「ミナリ」も観ることにした。 ここでもスティーヴン・ユァンはうまくいかない人生にあがく人間を演じている。髪はちょっと長め。「長男だから男だからオレが家族をひっぱって…

MIRROR「THE FIRST TAKE」に続けて出演

まず5月5日に阿JerとJeremyの2人で「人類群星閃耀時(Stellar Moments of Humankind)」を歌った。2週間で150万回以上再生されている。 www.youtube.com その興奮が冷めやらぬ5月17日に、阿JerとJeremyに加え阿Loと姜濤の4人で「Rumours」を歌った。こちらは…

グルメドラマではないよ「BEEF(BEEF/ビーフ ~逆上~)」

「町山&藤谷のアメTube」で紹介されていたので観た。 www.youtube.com www.youtube.com 製作がA24とくれば間違いない。約30分×10話という長さも丁度いい。 登場人物がほぼアジア系。観葉植物販売でお金持ちになったエイミー(中国父とベトナム母)と、さえ…

チュティモン・ジョンジャルーンスックジンが主演「ハンガー: 飽くなき食への道」

Netflixで4月8日から世界91ヵ国で配信開始。英語以外の言語の映画として2週目にして視聴時間TOP1になった。 様々な料理が登場するがどれも見栄えが良くて実に映画向き。オープニングの緊迫したシーンからの荒々しい盛り付けで既に作品に引き込まれてしまった…

ひと昔感が漂う「金錢男孩(マネーボーイズ)」

オーストリア、フランス、ベルギー、台湾の合同製作。2021年のカンヌや金馬でも上映され、台湾では2021年11月に一般公開された。 監督のC.B. Yi(陳熠霖)は小さい時に中国大陸からオーストリアに移住した華僑。ウイーン電影学院(Vienna Film Academy)で映…

「若き仕立て屋の恋 Long Version」を観るために神戸へGo

関西では三宮のシネ・リーブル神戸のみ上映。ならば神戸へ行かねばなるまい。 シネ・リーブル神戸は初めて来る。建物からして豪華。赤いじゅうたんの先にはゆったりとした待合室が。贅沢なつくりだ。 元は2004年に上映されたオムニバス映画「愛の神、エロス…

台湾版ドラマ「模仿犯」全部観た

Netflixで3月31日から世界同時配信開始。吹き替えだけで7種類。字幕は33種類。 原作は宮部みゆきが1995年から1999年まで「週刊ポスト」で連載した推理小説で、その後ベストセラーとなった。日本でのドラマ化は2016年でこれは私も見た。自分の中で「宮部みゆ…

喜劇って難しい「1人婚禮(ソロウェディング)」

周冠威(キウイ・チョウ)監督初のラブコメ映画。紆余曲折を経て今年の旧正月映画として1月に公開した。 ユーチューバーに全然詳しくない人は、まずそこから勉強しないとこの映画の世界についていけない。 まず主役を演じる吴冰(ン・ビン)は実際の香港の人…

第47屆香港國際電影節クロージング映画「送院途中(バイタル・サイン)」

最終日に2回上映。残念ながら舞台挨拶には古天樂(ルイス・クー)の姿はなかった。それでも早くから行列が出来て、何とか2階の前の方の席をゲット。これがワールドプレミア。 救急救命士の馬志業は娘と2人暮らし。娘の将来を考え、義理の両親の移民先のカナ…

香港でも4月27日から一般公開「關於我和鬼變成家人的那件事(僕と幽霊が家族になった件)」

台湾では2月から一般公開。香港での先行ロードショーにて鑑賞。場所はMCL系列のK11 Art House。連休中ということもあり、若い人中心で超満員だった。 ストレートの警察官吳明翰が道で紅包(結婚式などで配るお礼)を拾ったことで、ゲイの幽霊毛毛と冥婚する…

思ったより分かりやすかった「斷網」

3月から公開されている郭富城(アーロン・クォック)主演映画。ネットの世界での攻防を描いた映画。台湾、中国大陸でも同時期に上映された。 監督は映画「麥路人(ファストフード店の住人たち)2019年」の黃慶勳(ウォン・シンファン)。プロデューサーは鄭…

「智齒(リンボ)」再び、そして「香港名家講座 鄭保瑞(ソイ・チェン)」に参加

2021年の東京国際映画祭では途中退場してしまったので最後まで観たかったのと、その後にある講座に参加したくて、今回2度目の鑑賞となった。 以前の感想はこちら。 mingmei2046.hatenablog.com 最後の展開がすごいことに。やっぱ観といて良かった。 今回鄭保…