呉慷仁(ウー・カンレン)主演短編映画「我們不應該討論愛情(2016)」は必ず2度見する

R.E.D.公益紅計画がある目的のために作った19分の短編映画。

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ポスター通り仲のいい夫婦が登場するが、ところどころ何かがおかしい。予備知識無しで見たので、最後の展開に唖然した。そしてまた最初から見直すといろいろ合点がいく仕掛けになっている。妻の親友はかなり真相に近づいていたのに、結局助けることは出来なかった。そこが悲しい。

呉慷仁は台湾映画「狂徒」「引爆点」で主役を演じて好評だが、100%台湾制作の映画はなかなか大陸ではネットでも見られない。「白蟻」も見たいんだけどなあ。

そこで香港の英皇电影(エンペラー・モーション・ピクチャーズ)製作の映画「非分熟女」に出演するという話を耳にした。相手役は阿sa(蔡卓妍/シャーリーン・チョイ)だ。内容はというと「長年夫とのセックスで感じなかった女がイケメンシェフと出会い、厨房で食欲と性欲を同時に高めていく・・・」って、C級の匂いがプンプンするんですけど!阿saは激しいカラミも厭わないくらい気合が入っているとか。といっても英皇なのでせいぜい騎乗位で背中見せるくらい(乳首お尻の割れ目はNG)が限界だろうなあ。 映画「雛妓(セーラ)」でもそうだったし。

「非分熟女」は2019年公開予定。予告編はこちら。

非分熟女 香港先行版 (中文字幕)

みんなが見たいのはそっちじゃなくて、呉慷仁の肉体じゃないかと。

ザ・香港映画な「無雙(プロジェクト・グーテンベルク 贋札王)」をネットで見る

もうそろそろネットでやるかなと思ったら、予想通り年明けで見ることが出来た。2018年東京国際映画祭でも上映。

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監督は庄文強(フェリックス・チョン)で、脚本も担当している。脚本がうまい監督が映画を撮ると、どんでんがえしの連続でおもしろい映画が出来る。

私もすっかり騙された。ネタバレ出来ないのがもどかしい。徐々に真実と嘘がすり替わり、遂には嘘が真実に勝るような錯覚に陥っていく。

大スター周潤發(チョウ・ユンファ)にヒラ警官を演らせてしまったりするのがおもしろかった。普通だったら恐れ入ってビビってしまうだろう。

密林の中での激しい銃撃戦は「喋血街頭(ワイルド・ブリット)」を彷彿させた。100ドル札の偽札作りも香港映画では昔から使われているテーマだ。登場する俳優も毎度お馴染みの香港人俳優が多く、大陸系俳優も香港との関りが長い人が目立つ。

それにしても還暦過ぎても周潤發はかっこいい。

 

追記:日本でも2020年2月7日から全国で公開決定。

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ネタバレになると思い詳しくは書かなかったのに、公式HPの中で『「ユージュアル・サスぺクツ」や「オーシャンズ11」シリーズを超える云々』と説明されていて、「・・・ネタバレしてるやん」と思ってしまった。

そう、この映画を見ると「ユージュアル・サスぺクツ」を2度見したくなる。そこから更にひねって悲劇で終わるのが評価の別れどころ。

過去の台湾ドラマから劉以豪(リュウ・イーハオ)の成長を見る

台湾映画「比悲傷更悲傷的故事(韓国映画「悲しみよりもっと悲しい物語」のリメイク)」がヒットしている。主演の劉以豪が良かったので、以前の台湾ドラマを見てみることにした。

「我的霊界男友(元カレはユーレイ様!?)」2015

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よくあるラブコメ。穴だらけの台本なのに役者がみんなちゃんと演技していることにまず感動する。この時期の劉以豪はまだまだイケメンアイドル俳優だ。それでもいきなり泣きから入るシーンにはちゃんと号泣しているし、真面目な姿勢に好感が持てる。

 

「種菜女神」2018

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ゆるいミュージカルっぽい演出も入って心がなごむドラマ。かつてはヒット曲も生み出したことのある落ち目のミュージシャンがひょんなことから農村に住むことになり、そこから登場人物のそれぞれが人生をやりなおすというお話。劉以豪は自身でもバンドを組んでいるので、ギターも歌も自分でこなしている。

田んぼから眺める海の風景がきれい。そしてこれを見ると有機栽培の稲作がどれほどたいへんか分かる。途中主人公の2人が何度かケンカをするが、それが話を引き延ばすためというのが見え見えだったりして、前半退屈になる部分もある。俄然面白くなるのはヒール役の女がどんどん自分の嘘をエスカレートさせていくところから。

「成り上がるためならどんな手段も使う」役柄って割と好きだったりする。しかもそれが全部裏目に出る女ってすごいわ。最後には改心していい人になってしまうけど。

モデル→アイドルラブコメドラマで修行→本格派俳優として映画に出演という台湾俳優の王道を歩んでいる劉以豪。このまま行くと大陸でファンタジー時代劇とかそのうちやりそうだ。

新年快楽!新年のご挨拶。

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

大寒波の影響で海南島もめちゃ寒い。旧正月メインの大陸も年々新暦での年越しは盛り上がってきている。各地で年越しライブがあり、それをみんな各自でネットで見ていた。

そのうちの1人が紅白を見ていた。覗いたら「戦魚」という誰でもライブ配信が出来る動画サイトだった。おそらく日本か台湾(台湾のTVでは「紅白」を同時放送している)にいる中国人が生中継しているのだろう。次の日には他の動画サイトでも次々と紅白の画面がUPされていた。その中で特に大人気だったのが米津玄師。大陸にもコアなファンがついている模様。「ハチ」時代の活動も知っていて彼についた中国語の名称は「八爺」。ますます情報の時差が無くなっていくのを実感出来る。

帰りの飛行機の中で見た映画いろいろ

今回はとにかく安さ重視だったので、戻りは台北と香港経由のチケットを買った。その分飛行時間も長く、たっぷり映画を堪能した。

まずは「クレイジー・リッチ!」から。

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次々と登場するシンガポールの成金たちの予想を裏切らないイカれっぷり。楊紫瓊(ミシェール・ヨー)みたいな姑に出会ったら誰だってマジでビビるだろう。しかしひるまず挑戦する主人公レイチェルは立派だ。麻雀の席での捨て台詞にはシビレた。

日本ではそれほどウケが良くなかったらしい。基本は「花よりだんご」と同じなんだけどなー。これが例えば平凡なアメリカ人がヨーロッパの貴族の家に行く話であれば、これほど世界でヒットしなかっただろう。しかし登場するアジア人が一昔前の人っぽくて古くさい。特にメイク。

 

韓国映画殺人の追憶(2003年)」。

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1980年代に実際に起きた連続レイプ殺人事件が元ネタ。地元の刑事とソウルから派遣された刑事が捜査にあたるが、捜査方法で衝突しっぱなし。そりゃこの2人じゃ解決しないだろうと思う。ここでも韓国映画のやりすぎ演出が目立つ。そして後味もやっぱり悪い。

 

日本映画「カメラを止めるな!

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これは時間切れで途中まで。確かにこれはおもしろかった。撮影現場のあるあるがいっぱい。今度は最後まで見てみたい。

眠らない街香港で夜を過ごす

飛行機は夜9時半に無事に香港に到着した。香港では24時間以内の乗り継ぎの場合、荷物は預けっぱなしでOKだときいたので、手ぶらでそのまま空港を出る。

エアポートバスに乗り旺角(モンコク)に行く。目当ては真夜中上映の映画だ。見たい映画はいろいろあったが、「八個女人一台戯」は上映が1月に延び、「幸福城市」「翠絲(トレイシー)」はやはり上映回数が少ない。「無双」「人面魚:紅衣小女孩外伝」は既に終了していた。そうなると残るのは「比悲傷更悲傷的故事」と「葉問外伝:張天志」になる。そしてどちらも12時半からと2時半から上映していた。

まずは「比悲傷更悲傷的故事」。12:30上映。

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この時はまだ眠くないので全部鑑賞できた。劉以豪は前から笑顔が好きだったが、今回はその笑顔も少なめ。

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こんなシリアスな表情もなかなかいい。出演作が途切れない張書豪は、ここでもお人好しな歯医者を好演している。

韓国版は見ていないがおそらく内容はほぼ同じ。やっぱり「何だかなあ」というお話だったが思ったより悪くはなかった。

次は「葉問外伝:張天志(イップマン外伝 マスターZ)」。2:35上映。

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「葉問3」で葉問に負けた張天志が一旦武術を断念するが、汚職警察と結託したヤクザに絡まれ、その悪人たちと戦っていくお話。外伝と聞くと何だか胡散臭いが、ドニーさんがプロデューサー、袁和平 (ユエンウーピン)が監督なのでちゃんとした映画である。でもさすがに眠くなってところどころ記憶がないw。

映画館を出たのが4時過ぎ。その後朝まで営業しているマッサージ屋さんを見つけたので20分だけ肩を揉んでもらう。油麻地(ヤウマテイ)の1本裏道に入ったところに何軒もあった。

お腹もすいたので24時間営業の茶餐廳でモーニングセットを食べる。お店の中は大賑わい。香港式ミルクティーが体に沁みる。

せっかくなので夜明けの香港を見ようとビクトリア湾を望める場所に移動する。ここでもジョギングする人、仕事に行く人、釣りをする人など様々いた。

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本格的に写真を撮る人も。天気はあいにく小雨だった。

そのままスターフェリーに乗り島に移動。大館(タイクン)は入場が11時からなので断念。とりあえず外見だけ見学。その後近くの香取慎吾のアート作品を見て、文武廟にお参り。そろそろ10時なのでまたスターフェリーで半島に戻り、オーシャンセンター内の日系パン屋さんで昼用のパンを買う。

佐敦(ジョーダン)まで歩きながらエアポートバスのバス停を探す。

空港に着いて最後のお土産を買い、飛行機に乗り込む。「これでやっと眠れる!」と思ったら、個別にスクリーンがついていたので、ついつい「カメラを止めるな!」を見てしまった。いかにも元ネタが舞台っぽい映画だった。

 

限られた時間の中で観光した割には充実した内容だった。真夜中の映画上映は金土のみ。このサイトはかなり見やすくて便利。

wmoov.com

3月の香港国際映画祭でまた来たいなあ。

 

追記:「葉問外伝:張天志」が2019年3月9日から日本公開決定。早っ!ポスターもカンフーアクション好きに訴えるデザインでなかなかいい。

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他の香港映画もこれぐらい早く上映して欲しい。

 

追記2:「比悲傷更悲傷的故事」も「悲しみより、もっと悲しい物語」の邦題で2020年4月3日から新宿武蔵野館さん他全国で公開決定。

日本でインド映画「ガンジスに還る」を観る

ずっとチェックしていた映画で、やっと渋谷で観ることが出来た。

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インド映画なのにダンス無し、そして2時間以内で終わる。父親が急に「もうすぐ死ぬから聖地のバラナシに行ってくるわ」と言い出してあたふたするお話。

父親と息子の価値観の違いや、それまでの鬱憤がつい出てしまったり。でもやっぱり父さんが好きだー!!という愛で最後満たされる。

確かにインドの映画なのだが、次第に日本で起きてもおかしくないように感じる。父親とちょっといいカンジになるおばあさんなんて八千草薫にしか見えなかったよ。

死というのは誰にでも訪れるものだし、決して怖いものではないという感覚は理解できる。実家がガチな浄土真宗の家柄だった。浄土真宗では死=極楽浄土へ行ける=イヤッホー!なのでおめでたいことなのだ。

映画の最後、父親が無事に解脱出来て川岸まで遺体を運ぶ時、家族が手拍子と明るい音楽で見送る姿がとても良かった。

送るのも送られるのも、かくありたい。