ついに看破!全74話ドラマ「那年花開月正圓(月に咲く花の如く)」

 最初の頃の感想はこちらから。

mingmei2046.hatenablog.com

 長かった。しかしおもしろかった。日本で観ようとしたら「中国国外では観られません」表示が出た。でも華流ドラマ専門チャンネルでそのうち放送すると思う。

実在人物を基にしたお話だが、何度も殺されかけたりして超波乱万丈に盛っている。それでも従業員にお店の株を買わせたり、女性向けの学校を作ったりなどのエピソードはちゃんと史実に合わせている。

f:id:mingmei2046:20171111202440j:plain

主な出演者たち。この写真の孫儷(スン・リー)はちょっと修正効きすぎwだが、実際もとてもとても美しい。その他のサブキャラでも「顔だけ俳優」はいない。整形イケメンがぞろぞろ出てくるドラマもそろそろ流行らなくなりそうだ。

結局悪人はそれなりの報復を受けて死んでいく。それでも今回一番目立った悪役、杜明礼にはうら悲しい生い立ちもあって単純悪でもないのが良かった。それと杜明礼と査坤の関係性がかなり気になった。2人の強い絆に萌えた腐女子は多かったことだろう。

f:id:mingmei2046:20171113191820j:plain

運命共同体な2人。

衣装、服飾は男女ともに豪華で美しい。横店、上海、無錫、山西、湖州と撮影場所も多い。但し、メインのお屋敷はスタジオで作られたセット。全体を通して夜のシーンも昼に撮影して画面を暗くしているだけなので、昼と夜の区別がつかなかった。鈴虫が鳴いて提灯があってはじめて夜のシーンだと気づく。

清朝末の激動の時代に生きた女性の波乱万丈な人生ドラマ。女子向き。

日本で「上瘾( addicted)」を観る

急遽日本に何日か帰ることになりまして、まずやらなくっちゃと思ったのがこの「上瘾」鑑賞w

f:id:mingmei2046:20171105201308j:plain

大陸では観られないから~。youtubeでとりあえず10話まで鑑賞した。

大陸の学校の制服は基本ジャージでいつもダサいなあと思っていたが、いやーイケメンが着るとこれがなかなかいい。ネット通販では人気が出すぎて偽ジャージーも登場したらしい。

10話まではまだまだ2人は仲のいい友達のまま。どちらかというとわがままでボンボン気質の顧海が、ちょっとクールな白洛因にかまってほしくてたまらない様子。この2人がいちゃいちゃしているのを見ているのが楽しかった。

あらすじを見ると2人が付き合い始めるのは11話以降。その後、顧海のいとこや白洛因の元カノも登場して大盛り上がりの予感がするが、ここで当局からストップがかかった。いっそのこと日本とか台湾で撮って大陸以外で公開すればいいんじゃない?て思う。

ただ、期待するほどのレベルかというと「う~ん」てかんじ。細かいエピソードを交えてもっと丁寧に撮ればいいのになと何度も思った。

2人はお互いのどこに惹かれあったのか?

出会うまではそれぞれ異性とつきあっていたのだから、生まれた時から同性愛ではないわけで、そこから同性を好きになっていく決定的なきっかけがよく分からない。

BL映画の金字塔と勝手に思っている「藍宇(藍宇 〜情熱の嵐〜 )」や「ブロークバックマウンテン」と比べるのは酷な話だが、もう少し2人の感情に寄り添った抒情的なシーンが欲しいなあと思った。

f:id:mingmei2046:20171105205223j:plain

今でも胸がキュンキュンする。

ドニーイェン&アンディラウ主演映画「追龍」を観る

大陸の映画館で観たので北京語だった。でも潮州出身の伍世豪たちが話す潮州語はそのまんま。

f:id:mingmei2046:20171105143730j:plain

60年代の香港に実在した2人の友情物語。伍世豪は麻薬王、雷洛はアンディさんが以前も演じているが、賄賂で5億稼いだとも言われている警察官だ。

といってもアンディが「5億深長雷洛傳1&2(リー・ロック伝)」で主演をしたのは1991年。何度も観たけどもうかなり記憶が薄れている。伍世豪いたかなあ?

設定が60年代の香港なので、服装やセットがノスタルジーいっぱい。みんなが大好きな九龍城もたくさん登場する。

f:id:mingmei2046:20171105145326j:plain

f:id:mingmei2046:20171105145340j:plain

f:id:mingmei2046:20171105145357j:plain

ドニーさんといえば切れのいいアクションだが、今回はヤクザ同士のケンカなのでわざとぐちゃぐちゃwそれでも足蹴りはピカイチだ。

2009年の香港映画「金銭帝国」も同じ時代の警察の汚職を扱っているが、この時代香港人はどんなにがんばってもイギリス人より出世出来なかった。香港人汚職で集めたお金もピンハネされてイギリス人の懐に入る仕組みになっている。でもこの辺り返還前の香港映画ではあまり語られていないので、「大陸が意図的にやたらイギリス人を悪者にしている」感もある。

それにつけてもアンディさんの働きっぷりには舌を巻く。今年公開の主演映画がこれで3本目ですよ。一生現役スター☆なんだろうなあ。

 

追記:日本では2020年6月26日から一般公開予定。

f:id:mingmei2046:20200517101517p:plain

優酷(YOUKU)では北京語版か広東語版か選択出来るが、字幕は簡体字のみ。

台湾映画「52赫兹我爱你(52Hz, I love you)」を飛行機の中で観る

いつもの如く帰りは香港経由の飛行機に乗った。今回はラッキーなことにビジネスクラスにランクアップしての搭乗だった。人生最初にして最後のビジネスクラスかもしれないので大いに堪能した。

そんな訳で観たい映画が見放題。まずはこれから。

f:id:mingmei2046:20171107204703j:plain

魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)監督が29日間で撮り切ったミュージカル映画。歌やダンスのユルい感じがいかにも台湾だ。「ラ・ラ・ランド」のキレッキレのダンスの対極だが、結構好きだ。

どんなに世界の中心で愛を叫んでも、52ヘルツじゃ誰にも届かない。それでもバレンタインデーにそれぞれ奇跡は起きた。

いろんなカップルが登場するが、一番目立ったのはこの2人。

f:id:mingmei2046:20171108142758j:plain

 超ラブラブなビアンちゃんカップル。台北市が主催する公開合同結婚式に参加したくてやってきた。式には現役市長の柯文哲も登場。セリフが棒読みなのはご愛嬌。

ゲストの顔ぶれも懐かしい。「賽德克·巴莱(セディックバレ)」主演の林慶台、「艋舺(モンガに散る)」のゲタ親分馬如龍、「海角七號(君想う、国境の南)」に出演していたバンドも歌を披露してくれた。

いかにも台湾らしいと思ったのは、花屋の女の子とチョコレートを配達する男の子が交通事故を起こす場面。気の強い台湾女子にさんざんまくし立てられて言うなりになる草食系台湾男子。でも結局最後はなんとなくいい雰囲気になってしまうのが台湾ラブコメのパターンだ。

大作続きの魏徳聖監督はこんな楽しい小品も撮れるんだと証明してくれた作品。

 

追記:2019年5月17日、台湾の立法院同性婚を合法化する法案の採決を行い、賛成多数で可決。24日には同性の合同披露宴も開催された。まさに映画の現実化だ。

f:id:mingmei2046:20190531095815j:plain

良かったね。

日本で観た映画いろいろ

10月に日本に帰った時にいくつか映画を観た。

「3度目の殺人」

f:id:mingmei2046:20171123205356j:plain

とにかく役所広司すげー。今回はちょっと狙った演出を披露した是枝監督。実は弁護士の重森も被告人の三隅と同類なのではないかと思った。そして広瀬すずのただならない女優としての存在感。朝ドラ女優にするにはもったいない器だと思う。

 

「ローサは密告された」

私が日本にいたときは関西では京都シネマでのみ公開だった。初めて行ったがしみじみいい映画館だ。映画が始まる前にスタッフの方が前に出て注意事項を述べる。超アナログだがこっちのほうが効果抜群だと思う。そして同じ建物内のレストランでは半券割引サービスがある。もちろん映画を観る前でもサービスしてくれる。

f:id:mingmei2046:20171203145215j:plain

フィリピンにはまったく思い入れがないが、この映画は観てみたかった。相変わらずカオスな国だが家族愛だけは強い。兄弟それぞれ精いっぱいお金を集める姿が健気だ。

 

2001年宇宙の旅」爆音バージョン

f:id:mingmei2046:20171123205755j:plain

丸の内ピカデリーのイベントにて。キューブリックの美学が好き。2001年は既に過ぎたが今見てもちっとも古臭くない。そういえば「時計仕掛けのオレンジ」を90年代に観た時にも同じように感じた。

でもやっぱり全部は理解できなかった。特に終わり方。今後も何度も観るに違いない映画。

追記:その後、「町山智弘の映画塾!」を見て疑問が解消されてすっきりした。でも本人も最後におっしゃていたが、全部分かってしまうのもつまらないもの。


町山智浩の映画塾!「2001年宇宙の旅」<予習編>【WOWOW】#193

 

婚約者の友人

f:id:mingmei2046:20171123205922j:plain

人生初オゾン。戦争が個人にもたらす影響を描いた作品。1919年のお話だが、個々のエピソードに対してものすごくしみじみとわかってしまう映画だった。

白黒とカラーの使い分けが秀逸。個人的にはフランスママの何もかもお見通しよ的な性格がツボにハマった。

恋に破れた主人公だが、多分その後の人生において彼女はきっと幸せになると思う。

東京国際映画祭で「報告老師!怪怪怪怪物!(怪怪怪怪物!)」を観る

そう言えば東京国際映画祭だなあと思って、日本にいる間に観られる映画はないかと調べてみた。そうしたら「報告老師!怪怪怪怪物!」が残り4席だったので、速攻ネットで買った。

f:id:mingmei2046:20171109193052j:plain

日本語と中国語のダブル字幕だったのでかなり助かった。耳で聞いた言葉を文字で追う方が楽だ。

いじめられっ子といじめっ子がひょんなことで怪物と出会い、二人で怪物をイジメたおす。しかし怪物は実は元人間で、毒のある薬を飲んだせいで今の姿になってしまったのだと分かる。

いじめられっ子は今までさんざんイジメられてきたので怪物のつらさが分かる。何とか助けたいが、元がヘタレなのでいじめっ子には逆らえない。

実は怪物には姉がいて失踪した妹をずっと捜していた。いじめっ子は妹怪物をエサに姉怪物も捕まえようと画策する。

今年の夏休みに台湾で一般公開された映画なので、若者向きの内容。ホラーやゾンビが好きな人にはたまらないだろう。

いじめっ子もかなり悪いが(一応理由はある)、仏教にのめり込んでいる先生もかなりヤバい。

最後の結末はかなり悲壮。同じくクラスでいじめられている女の子の設定がここで効いている。「明るく笑ってハイおしまい」にはならない映画だ。

映画の終わりには九把刀監督を交えたQ&Aがあったが、私はここでタイムリミット。深夜バスで実家に帰らなくてはいけない。

九把刀は若い人を中心に人気なので、今後も映画を撮り続けていきそう。そのうち若者向けじゃない映画も撮るのかな?

 

追記:「台湾巨匠傑作選2020」でも上映決定。東京から始まって大阪、神戸、京都、名古屋での開催も予定されている。

https://taiwan-kyosho2020.com/schedule/

 

追記:Netflixで2020年11月13日から配信決定。

韓国初上陸(但し2時間だけ)

急用で日本に帰国することになり、全日空の直行便は流石に値段が高かったので、経由便の安い飛行機をいろいろ探してみた。

北京や青島などの国内経由はおもしろくない。そうしたらソウル経由が安かった。帰りは無理矢理香港経由にして往復のチケットを買う。これがネットで決算まで出来てしまうのだから便利になったものだ。

初韓国なので予備知識は全く無し。言われるまま飛行機を降りてトランジットの手続きの列についた。

扉の向こうはまさに空港を舞台にした韓国ドラマの世界だった。日韓と中国では一括りにされることが多いが、どこが違うのかと説明しようとすると自分でもあやふやだった。

今回初めてソウルに来てやっと分かった。とにかく女子がきれい。女を前面に出したメイクとみだしなみで、なんかもうみんな銀座のホステスNO1を取りにいっている感じ。そして男はさわやかさとマッチョさをアピール。女は女らしく、男は男らしく。

そんな韓国人が目の前で談笑しあっているともうここは撮影現場ですか?てかんじで眩暈がしてきた。

特に、全体的に薄暗い中国の空港とあか抜けない中国人税関スタッフの世界から直接来てしまうと、そのキラキラっぷりに驚くばかりである。

気を落ち着かせてせっかくなので韓国のお土産を買うことにする。全部韓国語なので何がなんだが。陽気なおばちゃんに英語でいろいろ質問して人民元で支払う。絶対私も中国人だと思われていることだろう。

10時に羽田に着いて終電を逃さないように慌てて電車に乗り込む。品川を過ぎたあたりでライトアップされた東京タワーが目の前に大きく現れた。

東京に来たんだなあと深く実感。