香港国際映画祭上映スケジュール発表

HKIFF

朝しゃかりきになってページを開けたら「午後5時から発表」と書かれていて「膝カックン」を食らった気分。

短い滞在ながらもかなり充実のラインナップ。ちょうど終わったばかりの大阪アジアン映画祭と被っている作品もあるので、そのホームページも参考にしながら選んだ。

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オープニングの「春嬌救志明」は無理としても平日の回は是非観たい。

 

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「原諒他77次(77回,彼氏をゆるす)」は大阪でも上映していた。

77回、彼氏をゆるす|OAFF2017|コンペティション部門

「雛奴」に続く邱禮濤(ハーマン・ヤウ)と蔡卓妍(阿sa)のコンビ。

 

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「紙酔金光鑽石島(ダイアモンド・アイランド)」は去年の東京国際映画祭でも上映された。

第29回東京国際映画祭 | ダイアモンド・アイランド

カンボジアが舞台の映画なんてなかなか見られないので。

90年代の古い名作香港映画はなんと無料!太っ腹だ。

クロージングの「報告老師!怪怪怪怪物!(九把刀監督)」と「龍先生(SABU監督)」は断念。でも7月の台北映画祭でも見られそうだ。

これに一般公開の映画を足すと、夢のような日々の出来上がり。

23年越しに観る「沙甸魚殺人事件」(1994)「三個相愛的少年(ぼくたちはここにいる)」(1994)

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たくさん映画を観ている方だと思うが、それでもやむなく見逃した作品もかなりある。なので今回大陸にいる間に動画サイトでいっぱい見てやる!と意気込んで来ている。

それで見つけたのがこの2作品。もうず~~~と香港に行くたび、いなかのVCD屋さんとかで探していたが見つからず、やっとここで出会えた。

「三個相愛的少年(ぼくたちはここにいる)」は1999年に日本でもちょっとだけ公開された。フライヤーだけ持っていたが観には行けなかった。すごく心残りだったのは覚えている。

「沙甸魚殺人事件」

沙甸魚は主人公のニックネーム。ストレスフルな香港の生活の中で息の詰まった生活をしている。しかし本人が苦しいと思っている割には条件がいいのだ。美人でしっかりものの彼女がいて、もうすぐ昇進出来そうなスーパーの仕事もある。しかしそれが小心者の彼にとってはプレッシャーでしかない。そこにアル中の大家が部屋に押しかけてきて自分の部屋で死んでしまう。そこで警察に連絡すればいいのに隠そうとするから、最後は近隣を巻き込んだ自殺騒動にまで発展してしまう。ここで後ろ暗い警官を演じるのが廖啓智(リウ・カイチー)。若いなー。この頃からチョイ悪な人物を演じるのがうまかったんだな。

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最後、缶詰を思いっきり投げ飛ばしてすっきり。

「三個相愛的少年」

仲のいい幼馴染の3人はそろってゲイ。でもそれぞれちょっとタイプが違う。役者志望の阿九はオネエ。売れない脚本家花仔はウケっぽいゲイ。如海は男女両方からモテまくるバリキャリだが、会社では自分がゲイであることを秘密にしている。平和に3人で暮らしていたが、阿九がエイズになってしまう。それを機会に生き方を見つめなおす3人だった。

1994年当時のゲイを取り巻く環境が理解できる作品。今でも同性愛者に対する偏見は無くなっていないが、この当時はもっと風当たりが強い。なので如海が今まで女嫌いだったのに急に最後女好きになるのにはムリがあるが、当時としてはこれが精いっぱいだったのではないかと思う。

阿九のヴィデオメッセージにはかなりグッとくる。葛民輝(エリック・コット)はこれで香港金像最優秀助演男優賞を獲得した。

2つを監督した趙崇基デレク・チウ)はその後も地味だが堅実な作品を撮り続けている。

肩の荷が下りた感じで自分もすっきり。

 

まだまだ出て来る中華ファンタジードラマ

先日、「中華ファンタジーはもうお腹一杯」と書いたが、ちょっと他の作品も紹介しようと思う。

去年話題になったのがこの2作品。

「幻城」全62話。

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火族と氷族との争いを描いた作品。原作は「小時代」の郭敬明。馮紹峰(ウィリアム・フォン)以下登場する男子がこれでもかというぐらい美しい。韓国のキムヒソンも氷族の王妃として出演。

撮影には約半年かかり(通常は長くても4~5か月)、CGに予算の6割を投入、音楽にはボストン室内オーケストラ起用など、かなり力が入っている。

確かに画はキレイだ。しかし私は第1話で挫折してしまった。1話見ただけで先の展開が読めるというか、少なくとも62話まで先を追いかける気にはならない。ファンタジー好きでファンタジーしか見ない人にはいいかもしれない。

「花千骨」全58話。

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女禍の子孫が人間に片思いする話。

主演の女優は最近ドラマに出ずっぱりの人気者。家に莫大な借金があるのかそれとも幼い兄弟が7人ぐらいいるのかというぐらい働いている。でも人気のわりに演技は単純。命がけで片思いする師匠を守っているわりにはその悲壮感が漂ってこない。セットなど美術はわりと凝っているが、照明の当てすぎで影が消え奥行きがないのが気になった。これも基本のストーリーは片思いの女の子が健気にクールな相手につくすというもので、そこに普通のワイヤーアクションやらCGがくっついただけに見えてしまう。

これらは話題になった作品だが、この下に似たような予算もレベルも下の作品がうようよしている。TV以外に今は動画サイトで直接いろんな作品が見られるようになっているので、全体の数は把握しようがない。

話も設定も似たり寄ったりなのに無理矢理50話とか60話とかまでひっぱるから、どうしても面白くない。

台湾にいるときは台湾産の小粋なラブコメとかTVでいつも見ていたが、大陸に来た途端見る機会が減ってしまった。以前はそれでも、台湾のトレンディドラマ、ミステリー(かなりユルいけど)、硬派な刑事ものとかいろいろあったけどな。動画サイトのおかげで自分の好きなものが好きな時に見られる分、TVがだんだんつまらなくなっているのは中国も同じ。

 

今一番人気のドラマ「三生三世十里桃花(永遠の桃花~三生三世~)」

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楊幂(ヤン・ミー)と趙又廷(マーク・チャオ)が主演の中華ファンタジー。全部観てから感想書こうと思ったらいつになるか分からないので(全58話)、とりあえず気付いたことだけ。

キャラ設定は張叔平(ウィリアム・チョン)なので衣装が美しい。ともすれば盛って盛って最後はエライことになりがちな時代劇の衣装&髪型も、ここではとてもシンプルにまとまっている。薄い素材を重ねたチュチュのような衣装が人物の動きに合わせて揺れるたびきゅんきゅんする。

で、このドラマの一番の特徴はほとんどスタジオで撮影されていることだろう。背景はCG処理。自然光ではないのでさらにファンタジー感が強くなっている。少ない外でのロケは雲南省で撮影されている。ここは逆にCGなんじゃないかと思うぐらいの美しさだ。

そして出てくる男子がみんな色白wそして区別がつかないくらいそっくりwww

それというのもみんな5万年とか10万年とか生きる仙人なので年を取らないのだ。

「あなたが私を好きになれないのは、私があなたより2万年年上だから?でもあなたが好きなあの人は9万年も上じゃない。」

なんてセリフが普通に出てくる。ここまでケタが大きいともう「どっちもあんま変わらないんじゃ・・・」って思うが。

話の進め方も淡白で、私のようにつまみ食いをしながら見るとどこまですすんだのかまったく分からない。一見同じに見えて実は200年過ぎてましたとか。

中華ファンタジーは好きだが既に食傷気味。しかし今後も似たようなのがどんどん量産されている。相変わらず中国ドラマはジャンルの幅が広がらない。検閲があるので社会の暗部が描きづらいというのもあるが、確実にお金を儲けるために作り手が安全パイを選択しているというのもある。中華ファンタジーならどこにも敵は作らないから。

でも、もうお腹いっぱい。。。

4月公開予定の香港映画いろいろ

さて香港行きが決まったので、一般公開も気になるところ。

公開が早い順から紹介。

3月16日から公開。監督も俳優も有名ではないので4月まで公開しているか微妙。街の清掃員が実はキョンシーハンターだったという設定はバカバカしくて好きだ。

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3月23日から。監督は「後會無期」の韓寒。主演はポンちゃん。タイムスリップして若い時の両親に出会っててんやわんやというお話。と言えば「新難兄難弟」を思い出すが、そんな感じの映画かな。

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3月30日から。多分暗い映画。余文樂ショーン・ユー)と曾志偉(エリック・ツァン)が親子。父親が家にいないので、うつ病なのに一人で病気の母親の面倒をみている家庭のお話。

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4月14日から。彭浩翔(パン・ホーチョン)監督。張孝全主演のラブコメ。好きになった彼女が実は爪を食べる特殊人間だった。一体どういうことなのかとても気になる。張孝全は鄭秀文(サミー・チェン)との共演映画「合約男女」から続いてのラブコメ参加。アクションも笑いもシリアスも出来る張孝全は大忙し。

4月30日から公開なのが

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呉鎮宇認知症父親だが、どんどん若返っていくお話。現地で観てみたいが先行ロードショーでも無理だろうなあ。

 

2017年香港国際映画祭は4月11日から

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今年は少し遅めの4月11日から開催。遅くなったおかげで私も観に行けるようになった。万歳!

今年の注目作品は何といっても彭浩翔監督の「志明与春嬌(Love in The Buff)」シリーズ第三作「春嬌救志明」だろう。

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ポスターを見ると4月27日から一般公開らしい。これには間に合わないので映画祭の間に是非観たい。

後は楊德昌(エドワード・ヤン)特集とか気になるところ。

スケジュール発表は3月14日で、チケット発売は3月17日の午前10時から。ネットで海外からでも買えるのがうれしい。その分競争は激化するけどね。

ニッチな人向け。似てるかな?SHOW

同じ東アジア圏内なので似ている人はちょいちょいいる日本と中華圏のスターたち。有名なのはジェイ(周杰倫)とV6のイノッチとか。但し、日本中華圏両方の芸能通じゃないと面白さが伝わらないのでネット上でもそれほど盛り上がってはいない。そこを敢えてさらにマイナーな人にスポットを当てて比べて見たよ。

滝藤賢一と趙立新

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趙立新は時代劇ドラマ「羋月伝(The Legend of Miyue)」や現代ドラマ「中国式関係」で脇役ながら大注目された実力派俳優。経歴が面白い人で、ロシアに国費留学した後、スウェーデンで舞台俳優になり、それから中国に戻っている。「主役を食うのが好き」と言うぐらい脇にいてもガンガン攻めるタイプ。

濱田岳と董子健

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董子健は賈樟柯(ジャジャンクー)監督作品「山河好人(山河ノスタルジア)」で張艾嘉(シルビア・チャン)と親子ほども年が離れているのにラブシーンを演じて話題となった俳優。その後台湾映画「六弄珈琲館」で主役も演じているが、私はこの映画を観た時、ずっと濱田岳にしか見えなかったw

中華圏内だけで言えばこの2人もややこしい。

竇驍と井柏然

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竇驍は「山楂樹之恋(サンザシの木の下で)」「破風(疾風スプリンター)」とか。井柏然は「失孤(アンディラウ劉徳華主演映画)」「捉妖記(モンスターハント)」とか。最初はホントに全然見分けがつかなかった。今は「好青年っぽいほうが竇驍かな?」ぐらいには分かるようになった。

ちなみに張芸謀(チャンイーモウ)映画の主演女優は、監督の趣味が一貫しているのでどれも似ている。

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キツめの女王様タイプがお好き。