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ちょっと寂しい香港の変化

「十年」という香港映画がある。2025年の香港を描いたオムニバス映画だ。2016年の大阪アジアン映画祭でも上映された。

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5話ともリアルにありそうな話でつらかった。広東語を話す父親と北京語を話す息子の話とか。香港産の物が売れなくなる話とか。

1年4か月ぶりに香港に行った。24時間しかいなかったわけだが、それでも前とは違うとこをいくつか。

大陸人が香港に押しかけて買い物をするのは前と同じだが、香港側の店員の扱い方が変わってきている。以前は広東語で話しかけてこっちが通じないと分かると「上玉のお客」扱いされたものだが、今回はなんだかうんざりした態度。よっぽど嫌な目にあったのかもしれないwそして釣銭を商品の上に置いて渡された。すぐそばにトレーがあるのに?ふかふかの服の上に小銭を置かれ何度も落としそうになった。

香港人が大陸人を嫌うのは今に始まったことではない。それでも以前は「たくさん買い物してくれればそれで自分のボーナスも増えるんだからまあいいか(だからたくさん買えよ)」という目で一応は対応してくれた。なのに今回は心の中の舌打ちまで聞こえてきそうだった。

もう何年も前から日本人には見られないことには慣れているが、一応日本人なんだけどなー。誰も日本人扱いしてくれない。やっぱり他の日本人観光客みたいに、たとえ海外にいようが家の近所に買い物に来たのと同じ空気を醸し出さないといけないのだろうか。

それでも下手くそな広東語を話し続ければ、質問にはいろいろ教えてくれた。答えが北京語というところが泣ける。もっと勉強しよう。

飛行機で「君の名は。」「何者」を観る

今回短いながらも4回飛行機に乗ることになったので、たっぷり映画を堪能できた。

まずは人気の広がり方が「世界の中心で愛を叫ぶ」とか「一杯のかけそば(古いなあ)」と似ている「君の名は。」から。

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これを観て号泣する人が続出というのは本当ですか?

すっかり川村元気の手のひらの上で転がされていますよ!

次に原作も読んでいてどう映画化するのか気になっていた「何者」。

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旬な若手俳優勢ぞろい。

最後の方で舞台に切り替わる演出がよかった。

相変わらず「よーいドン!」でみんな一斉に就活する日本だが、就職なんていつでもいいし、サラリーマン以外にもたくさんの仕事が世の中にはたくさんあるのになあ。

「まわりから認められる何者」かになりたくてあがく群像劇。でもそのカッコつけがイタいというか痛々しい。

映画「霧島、部活辞めるってよ」を観て「イマドキの高校生に生まれて来なくて良かった」とつくづく思ったが、今回も「イマドキの若者でなくて良かった」と心底思った。私にはこんな生活ムリムリムリ。

観客はこの登場人物の中から自分に近いキャラを探すのだろう。

理想はサワ先輩。うらやましいのは光太郎。でも気がついたらギンジになっていた。

私の場合はこんな感じだろうか。

香港で「一萬公里的約定」を観る

夜の最後の上映で何とか間に合った。

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大陸でも1月9日から上映しているらしいが、近所ではやっていない。

大陸資本が多いが多分プロデューサーのジェイ(周杰倫)が引っ張ってきたんだろう。そのおかげでアメリカロケは迫力満点だ。

1994年前の台湾で、走ることが3度の飯より好きな男の子がウルトラマラソンに挑戦するお話。

スポ根台湾映画というと「翻滾吧!阿信(ジャンプ!アシン)」を思い出さずにはいられない。比べてしまうと「スポ根かと思いきや実はチンピラ映画だった」という意外性と「ポンちゃんのほうが好み」という2点で、「翻滾吧!阿信」に軍配が上がる。

「一萬公里的約定」は純愛にも重みを置いているが、かなりピュアというか観ているこっちが赤面してしまいそうなエピソードばかりだ。設定が90年代だから?

女性コーチ役の頼雅妍は「等一個人咖啡」で人気者になり、台湾ドラマ「愛上哥們(アニキに恋して)」でも男装女子を演じて好評だったが、シリアスな演技はまだ難しかったらしい。主役の黄遠も演技が単純なので、2人がお互い引かれていく過程に深みがない。

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クールなバリスタ役で火が付いた

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いつも見た目は男同士でイチャイチャしているラブコメドラマ

兄役の王大陸くんもこの映画ではまだまだ駆け出しの新人という感じ。今では孫紅雷と組んで大陸のバラエティ番組に出るほど人気者だ。

ジェイもちょこっと特別出演して花を添えているが、全体的に盛り上がりに欠ける映画だった。

 

 

香港で台湾映画「一路順風」を観る

24時間しか滞在時間がない中で、絶対観たかったのがこの映画。去年の東京国際映画祭でも上映された。

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公開2週目に入り、上映回数もそんなに多くない。時間の関係で私は4K版で観た。

主演の許冠文(マイケル・ホイ)は20年前香港から台湾にやってきたしがないタクシードライバー役。納豆は台湾の有名司会者&タレント。タレントとしてはお笑い色が強いが、鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の以前の作品には普通の俳優として出演している。

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TVではいつもこんな感じ。

劇中でも納豆役でドラッグの運び屋をしている。

そしてそのドラッグに関わるヤクザのボスに戴立忍(レオン・ダイ)だ。今回の戴さんもクールで腹黒くて素敵。ますます好きになってしまった。

映画はタイから始まる。タイマフィアのボスは「湄公河行動(メコン大作戦)」にも出ていたタイ人のおっさんだ。そこで戴さんは死ぬ一歩手前まで追いつめられるが、何とか切り抜ける。

これを回想して台南のヤクザのボスに話して聞かせるのだが、この2人のやりとりが絶妙だ。嚙み合っているようで微妙にズレている。長年取引している相手とはいえ腹を割って話してはいないのが会話からわかる。

ドラッグの受け渡し場所になっている廃墟のボーリング場がすごくいい。長い長いソファとか手作り感いっぱいのレーンとか。

裏切り者に対するリンチがすごかった。「アウトレイジビヨンド」の中のバッティングマシーンを使った殺し方も秀逸だったが、この映画でも悪夢にうなされそうな方法が登場する。

あ~あ~あ~、痛い痛い痛い痛い。

ヤクザ映画を撮る人はみんな常にどうやって殺そうか考えているんだろうな。

特別ゲストで陳玉勲監督がちょこっと出演していて嬉々として演じていた。

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ちょこっと出演といえば金士傑が納豆の父親役だった。でもボケた写真でしか登場しない。最後のエンディングロールで分かったくらい。

タクシードライバーの小龍包のエピソードも実に切ない。でも私もこんな融通の利かない夫は嫌だと思う。ヨメ役の林秀美の見下した態度がまたたまらない。

その小龍包絡みで最後はちょっといい話ふうで終わる。

台湾を出てまだ1年しか経っていないのに、もうこんなに懐かしい。

ドニーさんと姜文が大活躍の「ローグ・ワン」

銀河帝国とかフォースとかより、ジオン公国とかニュータイプとかのほうが好きなので、これまでまともに観たことがない「スターウォーズ」シリーズ。

なのでそのスピンオフとか言われても何が何だかで、全く予習なし。

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「無精ひげのマッツ・ミケルセンもイケる」などと思いながら観ていたら

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いきなり甄子丹(ドニー・イェン)登場。そしてその後ろから姜文(ジャン・ウェン)も。

ドニーさんの足技は相変わらずキレイっす。姜文はいるだけで圧倒される。

ファンならいろいろ感想があると思うが、特に思い入れもないのでこれでおしまい。

それよりも今回驚いたのは映画館のロビーにチラシと冊子が設置されていたことだ。

田舎の映画館とはいえ一応チェーン店なので、春節に向けて作ったのだろう。

そこで陳玉勲監督の映画「健忘村」のチラシ発見。1月28日春節第1日目から公開と書いてあった。同じ中国語圏映画でも大陸香港台湾は同時に公開するとは限らない。事実この映画は香港での公開予定は無い。政治的な思惑プラス映画の嗜好も全然違うからだろう。陳玉勲監督の作品なのでぜひ観てみたいが、気になるのはどこまで大陸よりなのか?台湾語のセリフは残すのかな?

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気になる気になる。

血中香港濃度が足りないんだ

気が付けば1年以上香港に行っていない。これではいかんと春節の前に行くことにした。但し今回はベトナムからのトランジットで1日しかいない。

この1日でどの映画を観るのか只今思案中。候補として

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一路順風:東京国際映画祭でも上映された許冠文(マイケルホイ)主演台湾映画。監督は「失魂」の鍾孟宏(チョン・モンホン)。許冠文扮するタクシー運転手のロードムービーである。大陸での公開予定はまだ無い。でも公開初日の上映回数がとても少ない。来週までもつかな~。

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一万公里的約定:周杰倫(ジェイチョウ)がプロデュースした台湾映画。素直なスポーツ映画だと思う。

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那年夏天你去了哪里:大陸で只今公開中。よくある国産ホラーかと思ったが、出演が宋佳、胡歌、林嘉棟(ラムカートン)で、予告はいい感じだった。ポスターは香港版の方が大陸版より断然いい。出演者をギャラ順に並べる大陸ポスターは相変わらず無くならない。

「再見瓦城(マンダレーへの道)」は間に合わず、「一念無明」は月末からというのが惜しいところ。

今年もじゃんじゃんいい作品を観まくるぞ!

ありがたい教育映画「孔子(孔子の教え)」2010年

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資料集めのために見た映画。春秋時代の映画はなかなかないので。

娯楽性は少ない真面目な映画。しかし、主演は周潤發(チョウ・ユンファ)、周迅、陳建斌で、造形(キャラ設定)&服装指導は奚仲文、美術指導は「帰来(妻への家路)」にも協力した林潮翔という贅沢なキャストとスタッフだ。

なので服装と美術は特に必見である。時代考証を踏まえつつ見栄えがいい。特に小道具が緻密。なので小道具のアップだらけ。

そしてこの円形の大広間。

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但し映画としては演出が古臭く退屈。2匹目3匹目のドジョウを常に狙っている中国映画も、さすがにこのテーマで再度作ることはなかった。